(※最終章です、長いので興味のない方はスルーでお願いします。)
奥様のご予定は中止になったとのことで、奥様は何とベッドで寝ていらっしゃいました。
私は焦りました。
いないはずの人が目の前にいるとこんなに驚くものかというくらい驚きました。
ちなみに旦那様は出かけていて、いませんでした。
怒っている奥様と私2人きり、気まずい空気が流れています。
まず奥様は寝ているところを勝手に部屋に入ったことにご立腹です。
(前日の打ち合わせではお部屋に入ることを了承いただいていましたが、そんな理屈は奥様には通じません)
そしてポケットから指輪を出すところも、たまたま見られていたようです。
「あなた!何でその指輪ポケットに入ってたのよ!」
当然の疑問だと思います。
私は、今までの経緯を全て正直にお話ししました。

お母様が拾ってきたこと、ちょっとずつ戻しておこうと思ったこと、なぜそう思ったかなど、全て洗いざらいお話ししました。
奥様は鬼のような形相でしたが、一応話は全て聞いて下さいました。
半分は信じて、半分はまだ疑っているご様子でしたが、結局最終的に奥様は信じて下さいました。
もちろんこっぴどく怒られましたし、怒鳴られもしましたが、奥様は瞬間湯沸かし器でしたので、すぐに怒りは冷めました。
最後は苦笑して「あなたも仕方ない人ね〜」となぜかご機嫌です。

冷静になった奥様は、私が今まで戻した宝石をみて、お母様が持ち出したのだと悟ったのだと思います。
実はその戻した宝石数点は、全て元々お母様のものだったらしいのです。
しかし、お母様が認知症になってからは奥様がお母様の宝石を管理することにしたそうです。
お母様は、奥様のお部屋で宝石を見つけた時、見覚えがあったものを無意識に選んで持ってきてしまったのだと思います。
たくさんの宝石の中からお母様が愛用していらしたお気に入りの宝石ばかり数点。
それをみた奥様はやはり私の話を信じるしかなかったのだと思います。
そして勝手にお部屋に入ったこと(了承済みでしたが一応)、また宝石の件を黙っていたことを心から謝罪しました。
私は責任を取り家政婦を辞めようと奥様にそう言いましたが、奥様は引き止めました。
その代わり(かどうか?)家政婦よりも、奥様のお稽古を本格的に手伝わされるようになりました。
お弟子さんたちの対応、お着物の管理に着付け。
続けているうちに私は着物の着付けを一通り覚えてしまいました。
結局色々あり、ヘルパー(介護職)は辞めてしまい、CADオペレーターとして設計事務所に再就職しましたが、週一のお稽古のお仕事だけは奥様の希望で続けていましたので、最終的に奥様から着付けの名取を頂けることになったのです。

私はやっと今この歳になって、ヘルパー時代の私は若くてバカでしたが、あれはあれでよかったのだと思えるようになりました。
感情的で情緒的、良くも悪くもすぐに利用者さんに入れ込んでしまう自分。
一概にそれが悪いか正しいかなど、後になってみなければわかりません。
もちろん『介護職』という職業人としては失格だったと思います。
しかし、人間として色々成長できたのもあの時代があったからこそです。
当時は必死でした。(今もですが)
シングルマザーで2人の子供を(今は3人)育てながら、結果ヘルパーは辞めてしまいましたが、次の道が拓けたのも事実です。
奥様のご予定は中止になったとのことで、奥様は何とベッドで寝ていらっしゃいました。
私は焦りました。
いないはずの人が目の前にいるとこんなに驚くものかというくらい驚きました。
ちなみに旦那様は出かけていて、いませんでした。
怒っている奥様と私2人きり、気まずい空気が流れています。
まず奥様は寝ているところを勝手に部屋に入ったことにご立腹です。
(前日の打ち合わせではお部屋に入ることを了承いただいていましたが、そんな理屈は奥様には通じません)
そしてポケットから指輪を出すところも、たまたま見られていたようです。
「あなた!何でその指輪ポケットに入ってたのよ!」
当然の疑問だと思います。
私は、今までの経緯を全て正直にお話ししました。

お母様が拾ってきたこと、ちょっとずつ戻しておこうと思ったこと、なぜそう思ったかなど、全て洗いざらいお話ししました。
奥様は鬼のような形相でしたが、一応話は全て聞いて下さいました。
半分は信じて、半分はまだ疑っているご様子でしたが、結局最終的に奥様は信じて下さいました。
もちろんこっぴどく怒られましたし、怒鳴られもしましたが、奥様は瞬間湯沸かし器でしたので、すぐに怒りは冷めました。
最後は苦笑して「あなたも仕方ない人ね〜」となぜかご機嫌です。

冷静になった奥様は、私が今まで戻した宝石をみて、お母様が持ち出したのだと悟ったのだと思います。
実はその戻した宝石数点は、全て元々お母様のものだったらしいのです。
しかし、お母様が認知症になってからは奥様がお母様の宝石を管理することにしたそうです。
お母様は、奥様のお部屋で宝石を見つけた時、見覚えがあったものを無意識に選んで持ってきてしまったのだと思います。
たくさんの宝石の中からお母様が愛用していらしたお気に入りの宝石ばかり数点。
それをみた奥様はやはり私の話を信じるしかなかったのだと思います。
そして勝手にお部屋に入ったこと(了承済みでしたが一応)、また宝石の件を黙っていたことを心から謝罪しました。
私は責任を取り家政婦を辞めようと奥様にそう言いましたが、奥様は引き止めました。
その代わり(かどうか?)家政婦よりも、奥様のお稽古を本格的に手伝わされるようになりました。
お弟子さんたちの対応、お着物の管理に着付け。
続けているうちに私は着物の着付けを一通り覚えてしまいました。
結局色々あり、ヘルパー(介護職)は辞めてしまい、CADオペレーターとして設計事務所に再就職しましたが、週一のお稽古のお仕事だけは奥様の希望で続けていましたので、最終的に奥様から着付けの名取を頂けることになったのです。

私はやっと今この歳になって、ヘルパー時代の私は若くてバカでしたが、あれはあれでよかったのだと思えるようになりました。
感情的で情緒的、良くも悪くもすぐに利用者さんに入れ込んでしまう自分。
一概にそれが悪いか正しいかなど、後になってみなければわかりません。
もちろん『介護職』という職業人としては失格だったと思います。
しかし、人間として色々成長できたのもあの時代があったからこそです。
当時は必死でした。(今もですが)
シングルマザーで2人の子供を(今は3人)育てながら、結果ヘルパーは辞めてしまいましたが、次の道が拓けたのも事実です。
介護の仕事をしていると、様々な人生を目の当たりにします。
ヘルパー時代の経験は、良くも悪くも自分の人生の終末を考えさせられました。
人生に無駄なことなど一つもありません。
二度の離婚も元夫の暴力も・・・きっと。
今はまだ必死に生きてる途中ですが、いつか自分が死ぬ時には、パズルの欠片がぴったりはまるように人生の伏線を回収できればいいなと思っています。
そのために今を懸命に生きたいと思います。
終。
(※最後までスクロールしていただき、ありがとうございました)
★介護の闇はこちら。
【実話】今だから言える訪問介護の闇その1〜地獄の部屋
【実話】今だから言える訪問介護の闇その2〜家政婦とヘルパー
【実話】今だから言える訪問介護の闇その3〜家政婦が辞めていく理由
【実話】今だから言える訪問介護の闇その4〜ヘルパーの適性
【実話】今だから言える訪問介護の闇その5〜最後の宝石
【実話】今だから言える訪問介護の闇その6(最終章)〜人生の終末
★ヘルパーセクハラシリーズはこちら。
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その1
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その2
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その3(前半)
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その3(後半)