(※読まれて嫌な気分になる方はスルーを推奨いたします。記憶が曖昧なところもありますので一部フィクションの部分もありますのでご了承ください)

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家政婦を初めて、数週間がたったある日、訪問すると奥様の様子がいつもと違います。

具合でも悪いのかな?と気になっていましたが、そのまま介護と家事をやっていました。

一通り終わって、帰ろうと支度している時に、奥様が私にこう言いました。


「ねえ?宝石がなくなってるのよ・・・あなた知らない・・・?」


・・・!

あきらかに私を疑っています。

ショックで動揺を隠しきれません。



実はヘルパーをやってると正直こういうことはよくあります。

お年寄りが、あれがない!これがない!ヘルパーが盗んだ!と言って大騒ぎします。

一度、便秘薬がなくなった!いつもの同じところに置いてあるのにない!と言われ疑われたことがあります。

そんなもの盗むはずありません。

私は、また始まった、と思いなだめながら家中を探すと、座布団の下から出て来ました。

それでもその人は疑ったことは謝らず、自分はこんなところに置いていない、ヘルパーが置いたんだ!と言い張り、その御宅のヘルパーを辞めさせられました。

その人は少し認知症気味でしたが、本人に自覚がなく、どこに置いたかすぐ忘れるくせに自分はまだ頭はしっかりしてると思い込んでる方でしたので、別のヘルパーが訪問してもすぐに同じトラブルでヘルパーチェンジです。

チェンジチェンジって、私たちデリヘル嬢ではありません!



話が逸れましたが、今回は、ヘルパーとして対利用者さん、との話ではなく、家政婦としてのお話しです。

しかも金額も、便秘薬とかそんなレベルではなく何百万というお話です。


しかし百歩譲ってお金に困っていたとしても、絶対に盗むなんてあり得ません!

そこまで人間、落ちぶれていません。

毎日一生懸命、介護して、家事をして、信頼関係も出来て来た頃に疑われ、私は怒りや悲しみや虚しさという負の感情が一気に湧き出して来ました。


私が奥様のお部屋を片付けていた時に、毎回思ってたこと。

『こんなにあちこちに宝石や、高級な着物や帯留めが部屋中の床に散らばっていたら、どこに何があるかわからなくなるだろうな、金持ちは感覚が違うんだわ』と思いながら床に落ちてた宝石類は置き場がなかったので拾ったら棚の上に置いていました。


『ああ、そういうことか・・・』

そして私は疑われて、その時、何となく気づきました。

『奥様が家政婦を辞めさせる時ってきっと毎回こういう理由なんだ』ということに。

ヒステリックでワガママな奥様は、今までもあれがなくなった、これがなくなった、と家政婦のせいにして、それでトラブルになり、皆、辞めていったのだと思います。

でも私は疑われても、一歩も引かず、どんなに嫌味を言われても知りません!と言いました。

当然です、だって本当に知らないのですから。


虚しくなりましたし、急にモチベーションも下がりましたが、シングルマザーはパートタイマーの主婦とは違い、仕事は簡単には辞められません。

翌日も奥様宅に伺い、当然のように家事をしていました。

その日はもう何も言ってこなかったので、宝石がどこかで見つかったのだと思いました。

私はお稽古のお手伝いもしていたので、私に辞められると困ると奥様も思ったのかもしれません。

ヒステリックでワガママな奥様でしたが、その後はあまり何も言わなくなりました。


数日後、お母様の介護で訪問した時に、お母様のお部屋に調理をした料理を持って入ると、お母様があるものを私に見せてこう言いました。

「あなたにこれ、似合うわよ。これあなたにあげるわ、あなたが喜ぶと思って♪』

と言い、高級な宝石を差し出して来ました。

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私は持ってる料理の入ったお盆をひっくり返しそうになりました。


・・・これ!


「・・・お母様?この宝石どうされたんです?これはお母様のですか?」

と聞いてみました。

するとお母様は、

「娘の部屋に行った時に落ちてたの拾って来たのよ。綺麗だから欲しくなって。でもこれあなたの方が似合いそうだからあなたにあげるわ。私はまた拾ってくるから♪」

お母様は嬉しそうに教えてくれます。


お母様は週に一度お風呂に入ります。

お風呂は奥様の居住空間の3階にしかなく、お風呂の日だけは3階に上がれるのです。

しかし、入浴介助は別の入浴の事務所が入っていたので、私は立ち会っていませんでした。

「お母様、それは娘さん(奥様)の宝石ですよ。お母様、他にも宝石持って来たことありますか?」

と聞いてみると、お母様は嬉しそうに戸棚を開け、たくさんの宝石や帯留めを見せてくれました。


・・・そういうことか。


今まで奥様がなくなったと言っていた宝石はお母様が持ち出していたのです。

お母様はもちろん悪気なんてありません。

ただ綺麗な石が落ちてたので拾って来ただけ。

子供が河原で綺麗な石を発見して、内緒で家に持ち帰り秘密の宝箱に入れるあの感覚です。

私はこれを奥様に言うべきか。

けれど奥様に話すと奥様はお母様に激高なさるでことでしょう。

奥様の性格ですとヒステリックに叫び、手が出るかもしれません。

私はどうしたものかと悩みました。

事務所に相談すればきっとすぐに奥様に話してしまうでしょう。

私は事務所に話すことはすぐにはしませんでした。


そして数日後、私が出した結論は『私が内緒で奥様の部屋にちょっとづつ戻しておこう』というものでした。

奥様のお部屋はすぐに散らかります。

奥様は日に何度も着替え、宝石も付け替えるので、あちこちに脱ぎ散らかした着物、スーツ、宝石、帯留めが落ちています。

それを片付けるのは私の仕事なので、その時にちょっとずつお母様の持ち出した宝石を戻しておこうと思ったのです。

浅はかな知恵ですが、その時はいい考えだと思ってしまったのです。

つづく。

★訪問介護の闇
【実話】今だから言える訪問介護の闇その1〜地獄の部屋
【実話】今だから言える訪問介護の闇その2〜家政婦とヘルパー
【実話】今だから言える訪問介護の闇その3〜家政婦が辞めていく理由
【実話】今だから言える訪問介護の闇その4〜ヘルパーの適性
【実話】今だから言える訪問介護の闇その5〜最後の宝石

★ヘルパーセクハラシリーズはこちら。

【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その1
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その2
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その3(前半)
【実話】女性ヘルパーの介護はセクハラの巣窟〜その3(後半)

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