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※直接的な表現がありますので、読まれる方はご留意ください。


つづき。


最後の30分のお話しする時間に(それもSさんの計画に入ってます)旦那は何の仕事してるの?と聞かれ、嘘が下手な私は、旦那はいないと言ってしまいました。


すると次の訪問時、Sさんはこう言いました。

Sさんはよく不思議なものがよく見えたり感じたりするそうです。

身体が不自由になると心が自由になる、ってよく聞きますが、そういうことなんだと思います。

そして初めて私と会った時に星を感じたそうです。

自分の宇宙の隣の星に私の星があるのが見えたらしいです。

そういう不思議な感覚は、私も子どもの頃よく別世界を行ったりきたりしていたので、否定するつもりはありません。

ですが、私はそういうものをSさんには感じていません。

そしてそれからです。

毎日の入浴介護のときに陰部をしっかり洗うようにと、陰部だけ執拗に5分くらい洗わせたり、入浴後、陰部が痒いから毎回軟膏を塗るようにとか言われるようになりました。

事務所からもやるように言われていたので、イヤとは言えず、言われるままにやっていました。

するとSさんの陰部は当たり前ですが、大きくなります。

Sさんは『生理現象だから気にしないで』と言って何事もない顔をしていましたし、ヘルパーとして私も気にしないようにしていました。


そしてある日、上高地に昔、彼女と行った話を聞かせてくれました。

思い出の場所なんだそうです。

上高地の話を色々教えてくれました。

上高地は夏しか行けず、宿をとるのも大変で、マイカー規制もされているのでシャトルバスでしか行けないそうです。

『神垣内』が由来になって『上高地』と言われるようになり、神様が宿る神秘的な地域なんだそうです。 

そんなお話しを色々聞かせてくれました。
 

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そして昔の彼女が最近お亡くなりになったことも聞きました。

Sさんは、彼女に会いたいから上高地に行きたいんだ、と言いました。

彼女の魂は上高地にいるんだと言います。

そして私にこう言いました。

『一緒に行ってもらえないか?』と。

ヘルパーとして、介助して欲しい。

だけど、事務所を通せない。

だから3日間、旅費も出すし、個人的にお給料を出すから直接私を雇いたい、と言います。

かなりの金額でした。

少し揺らぎましたが、しかし、当時二人の子どもたちも小さくて3日間家を開けることはできません。

それにもし上高地に行って事故にでもあったり、病気が悪くなったりして責任問題にでもなったら、と思い、断りました。

Sさんは残念そうでした。


そして、家に帰るとすぐ事務所から電話があり、『Sさんの介護は来週いっぱいお休みしてください』と言われました。

Sさんは、私が断ったので怒ったのかな?と思いました。


そして翌々週、訪問した時に、Sさんは教えてくれました。

Sさんはなんと、上高地のツアーに一人で車椅子で参加していたのです。

私は驚きました。

車椅子でツアーバスで一人で移動ってかなり大変だからです。

介助者がいないと絶対に無理だと思いました。

するとSさんはこう言いました。

一人でツアーに参加していた若い女性がいたそうです。

女性はSさんを見るなり驚いた顔をしたそうです。

Sさんは、女性に話しかけたそうです。

見ず知らずの女性は行きも帰りもずっとSさんの介助をしてくれたそうです。

Sさんは言いました。

その女性が、亡くなられた彼女だとすぐに分かったそうです。

彼女の魂がその女性に見えたそうです。

私は、話を聞いていて、本当にそうかもしれない、と思ってしまいました。

そうでなければ、若い女性が一人で3日間ツアーに参加して、そして見ず知らずの車椅子の男性を介助するでしょうか。

Sさんは、もう思い残すことはない、と言いました。



そして、翌日、いつものように入浴介助をしていると、Sさんが直接的な言葉を私に言いました。

『胸が見える、触りたい』

夏でしたし、入浴介助なので、私も薄着になります。

Tシャツと短パンでした。

よく冗談を言う人なので、今回も冗談かと思い、私は笑って誤魔化しました。

するとまたこう言ってきました。

『かがむと乳○が見える、よく見せて』

と言って、本当にTシャツの中に手を入れて胸を触ってきたのです。

驚きました。というより動揺です。

Sさんは入浴中なのでもちろん全裸です。

Sさんの陰部はいつもに増して大きくなっています。

これは本気だ!と私は思い、慌てて『ダメですから!』と言いました。

かといって、一人で車椅子のSさんをお風呂に置いて帰る訳にもいきません。

急いで入浴を終わらせて、服を着させ、ベッドまで連れていきました。

最後のお話しの時間に私はこう言いました。

『この事は事務所に言いませんので、もう二度とこういうことはしないで下さい!』

しかしSさんはもう完全に燃え上がっています。

『上に乗って』

『一度でいいから死んだ彼女の代わりになって、お願い。』

と涙ながらに言われました。


私は、なんだかSさんが哀れになってきました・・・

Sさんの病気のこと、離婚のこと、子どものこと、亡くなった彼女のこと、人生のこと。

人生ってなんだろう?

 もし自分がSさんみたいに独り身で難病に犯され寝たきりになったら、私ならどうするんだろう?

そんなことを思い始めたら、なんだか私は同情ではありませんが、もうSさんの最後の願いを聞いてあげてもいいかな、と一瞬ですがそう思ってしまいました。

ただやはりすぐに理性が働き、すぐにそんな思いは払拭されました。

そして、あーもう私にはヘルパーは無理だな・・と本気で思いました。

一瞬とはいえ、寝てもいいかな、と思ったこと。

すぐに感情的になって、喜怒哀楽が激しいこと。

よくも悪くも相手を勘違いさせてしまうこと。

・・・完全にヘルパーの器ではありません。

私はこの仕事を辞めよう・・そう思いました。

そして衝動的に決心し、Sさんに言いました。

『Sさん、私、今日でヘルパーやめます・・今まで色々お世話になりました。そして本当にありがとうございました。』


そしてそれ以上お互い何も言わずにSさん宅を出ました。

少しだけ涙が出ました。

・・・私はもしかしたらSさんが好きだったのかもしれません。

いえ、好きとはちょっと違うかもしれませんが、Sさんがいなければ、私は人生をあんなに考えなかったし、Sさんに教えられたこと、たくさんありました。


その足ですぐに事務所に行き、無責任なのは重々承知で『ヘルパーを今日で辞めさせて欲しい』と頼みました。

ヘルパー全盛期だったので代わりのヘルパーはたくさんいたので困ることはないと思いました。

事務所は私に理由を聞きましたが、今日のSさんとのことは言いませんでした。

引き止められましたが、私の決心は変わりませんでした。



あれから10数年経った今、私は介護の仕事は一切していませんし、今後もするつもりはありません。

あの後Sさんがどうなったかわかりません。

ただその後、Sさん宅の前を通った時に、洗濯物が干してあるのが見えて、ご健在なんだな、と安心した記憶があります。

今はもう前を通っても、洗濯物の種類が変わってしまったのでそこにはもういらっしゃらないみたいです。


Sさんの魂は、亡くなった彼女と一緒に上高地にいらっしゃるのかもしれません。


※最後まで読んで下さりありがとうございました。
気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません。


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